粥を食べること。
永平寺では行住坐臥、つまり生活のすべてが修行であるといわれている。
そのためお茶を飲むことは行茶、展鉢をしてご飯を食べることは行鉢などという。
猊下が導師を勤める施食を特に御親香施食と呼ぶ。
通常、施食や供養等の法要の導師は監院、副監院、後堂老師のいずれかが勤めるが特別に猊下が導師をするものには「御親香ー」という接頭語がつく。
強調を意味するお山用語。
最近娑婆でも多く耳にするが、古参にハチャメチャに怒られる「ガチうたれ」や深い睡眠に入ってしまう「ガチ寝」、意識を失うくらい寝てしまう「ガチ落ち」等の使い方が正解。
ガチ落ちにも
朝課で完全に寝てしまう「朝課ガチ落ち」
暁天で完全に寝てしまう「暁天ガチ落ち」
僧飯で完全に寝てしまう「僧飯ガチ落ち」
など色々ある。
特に「僧飯ガチ落ち」は向かいに坐っている古参に見つかる確率が極めて高いので特に注意してほしい。
寺の外(山外)への私用での他出が一切認められていない永平寺では、山内の大きな部屋を使って催される御用商でのみ生活必需品を購入することができる。
勿論売られている者は限られているし、一年目の間は自由に買う時間もないが古参になってくるとダイナミックなショッピングが楽しめるようになる。といっても着物の生地を選ぶ幅が広がったり手巾の形や素材にこだわったりお香を買ったりという程度の「ダイナミックさ」であるが・・・
特に本屋さんは人気が高く、本屋さんの坪田さんが持ってきれくれるのは仏教関係の書籍ばかりだが、二年目以上で常連になってくると注文をすることもできて、ギリギリのラインの本を頼むこともできる。ギリギリのラインがどこにあるかは未だに謎だ。グレーゾーンというやつである。今巷で話題の聖☆お兄さんは残念ながらアウトだろう。
うっかりベースボールマガジンとジャズライフを注文したのがばれて、恐ろしいことになった和尚もいるという。闇ルートというのはどこの世界でも恐ろしい。
御用商は四九日毎に訪れる雲水の数少ない娯楽の一つと言ってもいいだろう。
永平寺を開いた道元禅師様の正当のご命日前の一週間23日から29日の期間を「御征忌」と言ってこの期間は毎日多くの法要が行われる。
この期間は法要のため全国から大勢の和尚さんが永平寺に集まってくる。御征忌期間は山内に人が多く、とても忙しくなる。
永平寺で最も恐れられている罰のひとつ。肩の高さで肘を張り合掌をしたまま正座の状態を延々とキープする。数分で既にきつくなるが、数時間に及ぶこともしばしばある。
賽銭箱の上で合掌正座をさせられたという恐ろしい話も・・・
同安居のK兄は当時最も恐れられていた古参オッサンのGさんに作務衣のスキマから肌着が見えているという理由で石畳の上で合掌正座をするはめになった逸話はあまりに有名。
検品室をでた外にある生ゴミを分解処理する大きな機械。
調理の分量を間違えあまらせてしまったものをこっそりこのゴミサーに投入しているのがみつかり、こっぴどく叱られる事件が毎年おこる。