雲水御用達!用語集

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応量器とは禅僧が食事の際に使う漆器です。
鉢単、匙、箸、刷などの食器と、美しく重なった五つの鉢が袱紗で一つに包まれています。
これらを展げて食べものを頂くことから禅僧の食事は「応量器展鉢」と呼ばれます。

応量器展鉢では、器の並べ方や扱い方に厳格な作法が定められています。
しかも朝、昼、夜と微妙に異なるため、全て覚えるには相当な時間がかかります。

これらの作法は永平寺の坐禅堂にて代々伝承されています。
永平寺の坐禅堂は一般人は勿論現役の修行僧以外は入る事ができません。
応量器展鉢は誰に見せる為でもなく、ただただ「食」を参究することで磨きあげられた
結晶のような食のありかたといえるでしょう。

食べものを全て頂いた後は、その鉢でお茶を飲み、お湯を注いで応量器を洗います。
これを洗鉢といい、洗鉢に使うのは鉢一杯分の水だけ。それらも桶に集めて近くを流れる小川に還します。
鉢に残った最後の一滴も「折水の偈」を唱えながら有り難く頂きます。

準備、洗い物は勿論、片付け終わるまでが禅食なのです。




展鉢前の応量器と網代笠
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禅の旅での展鉢体験(Photo by Yu Nozaki)
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鉢単(紙に漆を塗った道具)の上の応量器
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永平寺のある福井県では和尚さんのことを「おっさん」と呼ぶ。
和尚さんが「おしょさん」→「おっさん」となったらしい。

入門したての雲水も当然「和尚」として扱われる。
在家出身の僕は地蔵院で怖そうな古参和尚さんから「星覚和尚」と呼ばれ、あぁ自分は和尚になったんだなぁと思っていたが、すぐに「暫到おっさん」と呼ばれるようになった。

なんだか山賊の生き残り「残党オッサン」的響きでしょんぼりしたものだ。

ちなみに他にも
仕事ができる    →「できるオッサン」
仕事ができない   →「できないオッサン」
駄目        →「だめオッサン」
いけないことが大好き→「不如オッサン」
規律を守る     →「如法オッサン」

など様々なバリエーションがある。



雲水一人一人がもっている食事用の器。応量器を使った食事作法はとにかく決まり事が多く永平寺に入門したばかりの雲水が最も苦労するところでもある。

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大放参の日はいつもより二時間振鈴時間が遅くなり、朝課は大略朝課となる。
簡単に言うと長く寝れるのである。川作務や杉起こし作務、講式等とくに大きな行事の次の日は大放参になることが多い。

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