雲水喫茶の日替りマスター!!

zen go! 無功徳

合格祈願で有名なダルマさんこと達磨大師は、インド出身の禅僧である。
中国へ渡り、ひたすら壁に向かって坐禅修行を続けたといわれている。

当時の中国の皇帝はとても仏教への信仰が厚く、写経をしたり、僧侶を育成したり、寺院を建立したりしていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
帝日く、「朕、即位以来、寺を造り、経を写し、僧を度すること、勝げて数うべからず、何の功徳かある」
師日く、「並に無功徳」

「景徳伝灯録」第三巻より抜粋
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その武帝が「私のやってきたことの功徳はどれくらいのものだろうか」と聴いた際
達磨大師は「功徳などない」と言い放ったのだ。

考えてみれば現代の都市生活において、私たちは常に何かの「ために」生きている。
功徳を求めてやった行為はそれをもたらす為の「契約行為」だが無功徳の行為は無条件に広がる。

誰がやったのか知らないが、自分にとって気持ちいいことをしてもらった時はそれを無条件に他に広げていきたくなる。
無功徳の行為は、波紋となって世界中にひろがっていく。

常に何かの為に右往左往するのをやめ、目的から離れニュートラルな状態になってその瞬間を生きる。
これが禅の思想であり、その一つのあり方として坐禅があるのだ。

IMG.jpg

2010/07/29  by

コメントする