雲水喫茶の日替りマスター!!

五里霧中

ヒッチハイクで故郷の米子まで戻りました。

ヒッチハイクは不思議なもので、待っていてもなかなか声がかかりません。
「ま、いっか、自分でなんとかしよう」
そうやって歩き出すとすぐに声がかかるのです。

こういうふうにつながるご縁は
「今いる空間とちょびっと別のところでもともとつながっていた見えない紐に触れ発見して相互にたぐりよせる」感覚。

今日では文明の発展でこの「見えない紐」を可視化しやすく大変便利ですが、相互に触れ、発見する感覚と対局にあるのでバランスが難しいと思います。ヒッチハイクで例えるなら偶然を待つより車に歩み寄ってフロントガラス越しにアッピールするかどうか。それはそれでいいんですけどね。

故郷のお墓参りに行き、両親や、出雲の師匠と話し、高校時代からの友人と会ったりして、少しゆったりとした時間を過ごしました。






昨日は朝から鳥取市まで行き、その日講演のあるネルケ無方老師を車で迎えに来た少林寺の哲英老師にのせて頂き、一緒に岡山に向かいました。

粋なおそばやさんでおそばと母親が持たせてくれたおいなりさんを皆で頂き、通称「版画寺」なんとも味のある庵、毎来寺で、アーティストのご住職、正道老師に版画のご案内を頂きます。

道中、そして講演の前後にもたっぷりと時間を過ごし、無方さんの魅力を感じることができました。姿勢がまっすぐ、声がまっすぐ、心もまっすぐ、飾らず素直に禅の道を歩む生き方が魂に響く実に魅力的な和尚さんです。

現在四冊目の著書を書いているそうですが、その語学力にも驚嘆します。キリスト教と禅、坐禅と自給自足、修行者として、家庭人として、世界的な視野で仏教を実践する無方さんの生き方が読みとれる「裸の坊様(サンガ新書)」は特におススメです。

この日少林寺に集ったお坊さん達と夜遅くまで語らい、洞松寺(出家在家、国内外を問わず修行者を受け入れている禅道場)の皆様や、深耕寺坐禅堂の賢正さん、芳郎さんをはじめ、多くの志ある方々にお会いできました。晃輝兄、ちはるさんに津山駅まで送ってもらい23時発の深夜バスにのりました。

隣の座席に、僕の高校時代からの友人の知り合いだという料理人、幸田直人君と偶然のりあわせました。考えてみればすごい確率ですが、彼が自給自足を実践すべく鳥取県東伯郡で「いちまいのおさら」という活動していることも含めてもはや少しも驚くことができません。濃い霧の中にいるからこそ「見えない紐」をたぐりよせる人はどんどんつながっていくようです。



「(出版は)ブームですよ、みんなすぐに忘れるでしょう。少し前なら書きたいことがいくらでもあったけど、今は書かなくてもよくなりました」



緑豊かな中国山地を眺めながら笑う無方さんのまっすぐな声が聞こえてきました。

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2012/08/19  by

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