雲水喫茶の日替りマスター!!

脱成長

近所に住むブラジル出身の友人が、家の近くに面白いところがあるから来いという。
夜も更けていたので迷ったけれども歩いてすぐだったので行くことにした。

「Leila」という看板のお店の中にはたくさんの人がいて、電気製品や工具、パーティー用の食器類など、所狭しとあらゆるものが並んでいた。全て無償で提供されたものらしい。近所に住む人達がそれを共同で管理して無料で貸し出している。

「みんなが気づきはじめた。一年に一度しか使わないものが各家庭にある、そんな浪費はもうやめにして分かち合うのさ」

毎日お店に来ているというニコライが楽しそうに語る。

「あ、ひょっとして日本人?」

そう聞いて彼が誇らしげに持って来た一枚の紙には

『「モノの図書館」人気』

という見慣れた国の文字の上に、目の前にある棚が白黒で印刷されている。
2013年1月1日。ついこないだの朝日新聞のコピーだ。曰く

"ドイツは、自動車をはじめとする輸出産業が好調で、危機のさなかにも経済は強い。耐乏生活を誰もが強いられるわけではない。それでも「モノの図書館」が支持を得るのはなぜか。"

ベルリンに住んでから、何度も抱く疑問がまた頭に響いた。



「なぜ、ドイツはできるのか?」



(そのたびに僕は大好きな故郷を想って、心の中でムキになるんだ。近い将来ドイツの新聞にはこんな見出しがでるにちがいないさ。"Lernen, Die wahre Reichtum aus Japan"「真の豊かさは日本から学べ」ってね。)


経済危機にある欧州で独り勝ちの成長を続けるドイツで
「仏に逢うては仏を殺せ」という言葉を思い出した。





「Leila」のウェブサイト(独語)

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2013/01/13  by

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