雲水喫茶の日替りマスター!!

ポーランドに殉じた禅僧


三月に、突然ブログの更新ができなくなったことがあった。
普段と同じことをしているのに、ウンともスンともいわない。

ドイツからだから更新できないのか、海外からは全てダメなのか。
確認のため思いつく限りの国に住んでいる知人にメールをした。

ポーランドに住んでいる友人にも6年ぶりに連絡をとった。
その友人は現在ワルシャワの大学で日本について講義をしていて、ちょうどその後に別の友人がワルシャワを訪れることもあって何度かメールをやりとりした。
そのうちひょんなことから
「都合がつけばひとつ、ワルシャワに来て学生さんに何か話をして欲しい」
ということになった。

ベルリンからワルシャワは夜行バスで約8時間、往復5000円程度。
お互いの都合が合うのは一日だけだったので「二泊三日、日帰り」で旅をすることにした。

それが先週の火曜、昭和天皇の誕生日だ。

その日ワルシャワでは学生以外にも私に会いたいと言ってくれた人がいた。
友人の知り合いであるアグニェシカ梅田さんだ。

アグニェシカさんの義父は、1922年にポーランドに渡った「良忠さん」という禅僧なのだという。
二年前に旦那さんを亡くされた彼女は初めて会う私を自宅に招いてくれた。

私が訪れたちょうどその日に、梅田良忠師について書かれた新著「ポーランドに殉じた禅僧」がアグニェシカさんの手元に届いた。
その本の著者である梅原季哉氏もちょうどその日に偶然ワルシャワを訪れていて、夕食を一緒に頂くことになった。

欧州に長く住む彼は良忠さんのことを初めて知ったとき
「こんな人がいたのか、このことをいつか世の中に伝えたい」
と打たれるような衝撃を覚えたという。

みんなで話した。
ポーランドのこと、日本のこと、ウクライナ、尖閣諸島、北方領土のこと、
これからのこの星のこと。

なんだか夢の中にいるようだった。

ワルシャワからベルリンに戻るバスの中で、ひとりの女性が話しかけてきた。
リトアニアで生まれ育った彼女は医大を卒業して医師となったものの、家族に送金をするためにドイツで仕事を探しにいくのだという。友人の医師達にはウクライナにいっている者もたくさんいるという。

長い長い道路を揺られながら、私は長かった一日を思い返した。
時間も空間もひっくり返ってゴチャゴチャに混ざったような、長い長い一日。


この道でドイツとポーランドはつながっている。
この空で故郷とつながっている。
つながっていなかったときも、つながっていた。

当たり前のことだけれど

本当はみんながみんな、つながっている。

誰が 誰を 殺せん

今日はアグニェシカさんの旦那さんの三回忌。
その名前をよんだ。

本当はみんながみんな、つながっている

今週も好い日々が巡りますように・・・

星覚九拝




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2014/05/04  by

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