寝ることを開枕という。「九時開枕」であれば、九時消灯とほぼ同義。
永平寺では行住坐臥、日常生活のすべてが修行とされている。寝る時もいろいろな作法が細かく定められ大事な修行の一つとされている。
寝ることに対しても枕を開くという能動性を持たせたこの言葉はとても深い意味がある。
言葉のひとつひとつが趣がある永平寺用語の中でも最も好きな言葉の一つ。
娑婆にいると「疲れたから寝る」「次の日が大変だからそろそろ寝る」となってしまうがしっかりと開枕時間を守ることが何より大事であると強く感じる。
永平寺では開枕は九時であるが、九時以降は開枕
罷といい、寝る支度をして十時半の
点検まで自由に過ごせる数少ない時間の一つである。
一年目は開陳罷でも必死に公務の準備やお経を覚えたりしなくてはいけないが、そのうち開枕罷にはいろいろな魅力的な誘惑が待っていることを知ることになるのである・・・
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