雲水御用達!用語集

離位 rii

「位」とは「」とほぼ同義で自分の場所を意味する。自分の位のことを自位という。
法堂東室中には猊下が坐る猊下位というものもある。朝課ではそれぞれの配役や、上山順で自位がきまってくる。

この位を離れることを離位という。途中離位は朝課等の途中、公務等で自分の位を離れることをいう。転じて永平寺で持ち場を離れる時に頻繁に使われる。

娑婆でも終電で帰りたい場合等は遠慮せずに「私、終電があるので離位させて頂きます」というと効果てきめんである。



西洋の教会等と違ってお寺の本堂は畳以外なにもない。
そこに雲水達がどこからともなく入ってきて、整然と並び、坐り、読経をし、時には大きな椅子や見台が登場するが、法要が終わると、静かに雲水達は去っていってまた畳以外なにもない空間に戻る。

位は決まっているようでいて、決まっていない。
人の生死を彷彿とさせる、仏教の諸行無常館、禅的な潔さがよく現れている。
離位は雲水の美学ともいえよう。

2009/02/23