雲水御用達!用語集

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雲水が旅をする時にもつ錫杖を留めることから、行脚の途中ひとところにとどまって修行をすることを留錫という。

永平寺では年に二回の制中が終わると毎回、送行か留錫を選択することになる。
お袈裟の代わりに首からかける小さなお袈裟。これです。

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「位」とは「」とほぼ同義で自分の場所を意味する。自分の位のことを自位という。
法堂東室中には猊下が坐る猊下位というものもある。朝課ではそれぞれの配役や、上山順で自位がきまってくる。

この位を離れることを離位という。途中離位は朝課等の途中、公務等で自分の位を離れることをいう。転じて永平寺で持ち場を離れる時に頻繁に使われる。

娑婆でも終電で帰りたい場合等は遠慮せずに「私、終電があるので離位させて頂きます」というと効果てきめんである。



西洋の教会等と違ってお寺の本堂は畳以外なにもない。
そこに雲水達がどこからともなく入ってきて、整然と並び、坐り、読経をし、時には大きな椅子や見台が登場するが、法要が終わると、静かに雲水達は去っていってまた畳以外なにもない空間に戻る。

位は決まっているようでいて、決まっていない。
人の生死を彷彿とさせる、仏教の諸行無常館、禅的な潔さがよく現れている。
離位は雲水の美学ともいえよう。
殿行、真行を終わった三年目以上の和尚には寮長の配役が与えられる。
寮長は各寮舎の一年目、二年目和尚をまとめるいわばリーダー的役割で、寮舎内のことをほぼすべてまかされる。責任が重い分、自分で自由に使える時間が増える、一人部屋が与えられる等好待遇になる。
永平寺で最初に山門に立った日から永平寺をおりる日まで三年間ずっと一緒に修行をした禅兄弟。良峰は呼び名で本名は祥幹。シャバ読みでヨシモトというだけあってお笑いにはかなりうるさい。

転役先がほとんど同じで特につらい時期をいつも一緒に過ごした。星覚のことを一番理解してくれていて、いつもはげましてくれた和尚。良峰にはなんでも話していた。
永平寺に上山したとき、既に四年目の堂行寮だった超古参オッサン。安居時代を通じて本当にお世話になりその雲水精神を拙僧はとても尊敬している。
シャバでこのブログを書いてる現在もまだ永平寺に残って修行をしている。
月に二回行われる長ーい法要。いわば雲水達の反省会の様なもので、懺悔をし今後戒を守って修行に励むことを改めて確認する為の儀式である。
永平寺にはたくさんの「寮舎」とよばれる部署がある。
参拝者や客人の世話をする接茶寮、山内の防火や清掃、土木系の仕事を請け負う直歳寮、食事を作る庫院、生活必需品や法要関係の様々な物品が保管してある倉庫を管理している知庫寮等々数え上げればきりがないが、どこの寮舎に配属されるかはまったく予想がつかない。

自分が転役した寮舍を中心に思い出して挙げてみる。

衆寮  ーーー 誰もが最初に転役する寮舍。鳴らし物をならしたり掃除をする。
小庫院 ーーー 主に参拝者と吉祥閣の和尚の食事を作る。
直歳寮 ーーー 山内(屋内屋外)の火防点検や土木関係の仕事をする。ガテン系。
国際部 ーーー 外国からの参拝者の案内や問い合わせの対応を英語で行う。
受処  ーーー 参拝者や参籠者の受付、供養や法要などの問い合わせに対応する。
法堂  ーーー 毎朝の朝課や様々な法要の準備、配経や進行を担う。
侍真寮 ーーー 道元禅師が祀られている承陽殿での公務を担う。
堂行寮 ーーー 朝課で木魚を叩いたり、山内の全寮舍を監視、指導点検を行う。
聖宝閣 ーーー 普勧坐禅儀など山内にある文化財の管理を行う。
参禅系 ーーー 参禅者の案内、坐禅指導等を行う。
傘松会 ーーー 永平寺の機関誌、「傘松」の編集、その為の写真撮影を行う。
接茶寮 ーーー 永平寺に宿泊する参籠者のお世話をする。
祠堂殿 ーーー 一般檀家の位牌や遺骨を安置する祠堂殿での公務を行う。
維行寮 ーーー 維那老師のお世話をする。
後単行寮 ーー 後堂老師、単頭老師のお世話をする。
講送寮 ーーー 衆寮の和尚の指導や、飯台の進行を担う。
知庫寮 ーーー 生活必需品の卸や管理、山内の法具の管理を担う。
大庫院 ーーー 雲水達の食事を作る。
監院寮 ーーー 監院老師のお世話をする。
不老閣 ーーー 不老閣猊下(永平寺住職)のお世話をする。
首座寮 ーーー 制中にできる、首座、書記、辨事和尚の属する寮舍。


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