雲水御用達!用語集

三八 sanpachi

永平寺では「一に掃除、二に掃除、三四がなくて、五に掃除」と言われるほど掃除が重んじられるが、三のつく日と八のつく日は普段手の行き届かないところまで特に念入りに掃除する「サンパチ」の日とよばれていて、朝からその為の日程が組まれることになる。電燈の傘や、排水口、倉庫の中、軽トラの洗車や、番犬の入浴まで、「いつもやらないところ」を徹底的に清掃するのである。

(曜日の概念は平安時代初頭に日本に伝えられたとされるが、日本では明治時代まで一般的ではなかった。永平寺では今でもサンパチは清掃の日、シクニチ(四九日、四と九のつく日)は放参日、1日と15日は祝祷日、18日は火防祭等々日付で行事が決まる。曜日に全く関係なく毎日が流れるので今日が何曜日であるか全くわからなくなる。)

雲水としてこの習慣を娑婆でも実践したいという想いから「三八清掃」は始まった。
「三八清掃」のルールは単純明快

「自分に関係ない場所を少しでもきれいにする」

ことである。ここでは「自分に関係のない場所」というところに俄然着目して頂きたい。たとえば自分の部屋に紙くずがおちてあったら・・・多くの人が拾ってゴミ箱に捨てるだろう。それを「自分に関係ない場所」でもやるのだ。必ずしもゴミを拾うだけでなく、道ばたで倒れている自転車を起こしても、ロッカーの上にたまっているホコリをふきとってもいい。「自分に関係のないところ」を少しでも美しくすることができればその日の三八清掃は大成功といえる。

永平寺ではゴミ箱を「護美箱」と書く。美しい地球を護るには、サンパチにすこしでも「自分に関係のない場所」を美しくしてほしい。そのすがすがしさを是非体験してほしい。

どうぞよろしゅう。


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2008/04/23