雲水喫茶の日替りマスター!!

アンポ

星覚です。どことなくかわいい響きを持つこの言葉。アンポ。

しかしそんなのんきなことをいっていられるのも実際はアンポについてほとんど何も知らないからなのだろう。

日米安全保障条約というものがある、ということや、アンポトウソウという言葉は知っているけれどもそれ以上はよく知らない。

いったい日本とアメリカの間に何があったのか。
よくわからないながらも、戦後の日本人の価値観や生活文化の大きな変化は、戦後のアメリカによる占領政策に大きな要因があるのではないかと思う。

歴史をしっかりと学んで、新たな一歩を踏み出したい、そう思っていたところに「友人の映画監督が、アンポについて扱った映画の公開にあわせてシンポジウムを開催するので手伝ってほしい」という話がきた。

映画監督の名はリンダ・ホーグランド。リンダは拙僧の大好きな映画「もののけ姫」や「千と千尋」を始め海外で絶賛される多くの日本映画を海外向けに翻訳している日米の架け橋ともよべる映画人だ。先週彼女と一緒に会場である東京大学の安田講堂にいってきた。

とにかくみんなに真実を知ってほしい。
リンダからは龍のようなエネルギーを感じた。

なんでそんなにエネルギーがあるの?と聞くと「背後霊がいるから」と真顔で答えた。
ハハハと笑ったが、彼女の顔はいつまでも真剣だった。

なるほど、そういうことか、と思った。
この人はアーティストなんだ、本気なんだな、と。
考えてみれば当然なんだけれども、ひとつの映画をつくるということは。

彼女のいう「背後霊」とは霊感があるとか、幽霊がいるとか、そういうことではないと思う。
東京にすむ人々は一般的に、歴史にほとんど興味をもたずに目の前の利潤だけを虚しく猛烈に追い求めている気がする。自分自身がそうだ。
誰もが「例外なく」、両親やそのまた両親、いままで自分を育み育ててくれた先祖たちを持ちながら、その「歴史」から目を背けている。

それをしっかりと見据えた結果、自ずから見えくるものは「背後霊」と形容できるのかもしれない。

ごまかしてしまいがちなものにひとつひとつ向き合って、いま、ここしかない、という対処ができれば、きっとこの世界はいい方向にむかって動いていくように思う。

週末に娑婆では初めてお経を挙げた。
祖父の法要だった。インドネシアで弾丸が飛び交う中生還した祖父は、寡黙だったが深い優しさでいつも見守ってくれていた。
祖父が怒ったところを見たことがない。びっくりしてる顔か微笑んでる顔か。

夏休みに遊びにいくといつも将棋を教えてくれた。
飛車や角を躊躇なく犠牲にして、本丸を攻め落とす大胆な将棋にはついに敵わなかった。

祖父なら次にどんな一手を指すのだろう。



オジイチャン ボクハナニヲシタライイノカヨクワカラナイケド オジイチャンガマモリタカッタクニトカゾクハ キットマモッテイクカラネ



写真.jpg




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以下、リンダのアンポのシンポの案内です。
なんか韻が踏めた感じ!
無料なのでみんなで安田講堂をいっぱいにしてアンポについて知ってみよう!

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シンポジウム:「60年安保闘争の記録と記憶」開催ご案内
目的:日米安全保障条約の改定から50周年を迎えるにあたり、市民運動の客観的記録と     日本現代アートに綴られる主観的な記憶の表現とを考える研究討論集会 意義:1960年の安保闘争から50年。実体験者の記憶が薄れる中、国民的な運動が歴史的出来事としてどう記録され、継承されていくかを検討する。映画「ANPO」を題材に、国民的な体験の客観的な研究や記録の重要性と、主観的な記憶が宿るアート表現の重要性を対比し、探る機会を設ける。 日時: 6月15日(火) 18:00 開場 18:30 開演(20:15終了予定) 場所:東京大学・本郷キャンパス大講堂(安田講堂)http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_00_01_j.html ※駐車場はありませんので公共交通機関をご利用ください。 入場料:無料(要申込み) お申込み方法:1)yasuda615@gmail.com宛て、ご入場希望の方のお名前をメールでお送りください。(複数でご入場希望の場合は全員のお名前をお願いします) 2)折り返しこちらから受付完了の返信を致します。 3)当日はその返信メールのプリントアウトをご持参ください。 ※定員になり次第、締め切りとさせていただきます。 プログラム:司会/上野千鶴子(社会学者、東京大学大学院人文社会系研究科教授)、 パネリスト/保阪正康(「60年安保闘争の真実」著者)、小熊英二(社会学者、慶応義塾大学総合政策学部教授)、リンダ・ホーグランド(映画「ANPO」監督)、特別ゲスト/加藤登紀子(歌手)※映画「ANPO」ダイジェスト版の上映あり 映画「ANPO」は、戦後日本を代表してきた現代アーティスト30余名へのインタビューと彼らの絵画、写真、映画などの作品を織り交ぜつつ、アートの視点から多面的に戦後の日米関係を振り返るドキュメンタリー。監督は映画『TOKKO/特攻』のプロデューサー・ライターでもあるNY在住のリンダ・ホーグランド。2010年劇場公開予定。 www.anpomovie.com

2010/05/24  by

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