雲水喫茶の日替りマスター!!

escape

早くもベルリンに来て一週間が過ぎました。

先日湖のほとりで出逢ったドイツ人の作家が訛のある英語でメッセージをくれました。

ドキッとしたので紹介しておきます。


When we met yesterday at the little sea, there suddenly was a heartfelt sympathy for your presence, and who you are. Just before I started thinking, I was already talking to you. 


In some words, I tried to point out, what the input of the very bad happenings in Japan from March for the whole world is


since then... I feel very concrete, that the whole media-system is cheating with people. They are telling only little, little pieces of truth. When you told me yesterday the word "escape" from Tokyo, I felt this is a 100% true word.


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そもそもどうしてニューヨークに行く予定がベルリンになったのかとよく聞かれます。

でもほんとのところは「ニューヨーク行きからベルリン行きになった」のではありません。


世界地図を広げ「うーん、どこの国にしようかな・・・よしここだ!」等と選んでいる余裕は全くありませんでした。必死でギリギリの選択です。


最近ようやく整理して素直に認められるようになりましたが、僕の身体は3月11日の地震による原発事故をとても怖がってました。

「家族の避難」を口実に翌12日には東京を離れましたが、本当のところは自身が一番本能的な恐怖を感じていました。

そんな中でベルリンに住む何人かの友人から、避難受け入れの申し出を頂いたのでとにもかくにも渡欧することにしたのです。


ベルリンはZENが盛んな大都市で、ニューヨーク同様にZENを参究できます。

故に自分の意志で「ニューヨーク行きからベルリン行きに変えた」と言ってみたくなるんだけれども(実際にそう言ったこともある)実のところ本音はそうではありません。今自分がベルリンにいられるのは奇跡的な出会いと縁に導かれたおかげで、とても自分の意志だけで来れる場所ではないです。


そもそも横浜善光寺さんが、ニューヨーク行きのサポートが前提であったにも関わらず「場所はどこであってもしっかりとZENを学んできてほしい」と変わらぬ支援をして下さっていなければ、ベルリンに渡ることさえできなかったでしょう。感謝のしようがありません。


ここ最近特に激しく人々の価値観が変わっているように思います。

なにが正しいのか、わからなくなってきています。でも変わらないこともあります。

例えば身体に流れる重力。今、自分ができることは何なのか静かに深く、呼吸をして、じっと坐って考えてみましょう。


被災地に支援に向かう人、自分の仕事場に向かう人、家で家族を守る人、みんな勇気と覚悟をもってこれからの日本を支える希望の力です。全力で尊敬しているし、応援しています。


恐怖や不安を感じている人は、勇気をだしてその恐怖や不安を表現してほしいです。

泣いたり、逃げ出したり、何をしていいかわからなくなったりすることは自然なことだと思います。

勿論他人の為に表にださないのはとても尊いことですがみんながみんな耐えられるような簡単な状況ではありません。

泣いて、逃げて、不安や恐怖を認めて初めて見えてくる本当にすべき行動というものもあります。


"escape"とはそもそもラテン語で外套を脱ぐ、という意味。avoidなどに比べて「非意図的」に災難などを避けるという意味が含まれるようです。


とらわれていた執着のコートを脱ぎさって、自分の深い心に触れながら一歩一歩進んで生きたいと思います。



2011/05/27  by

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