もうずいぶん前のことですが、演出家の奈良橋陽子さんと車の中で二人の禅僧の話をしていました。
禅僧は激しい感情の起伏がなくなる、というよく思われがちだけれども、そういうわけではないんだよなぁ、と。俳優は感情の起伏が激しいと思われがちだけど、物静かな人がおおいよなぁ、と。そんなことを話しました。
二人の僧が旅をしていました。
若く美しい女性が川の前で立ち往生していました。
僧の一人は女性を抱いて川を渡りました。
二人は、また歩き始めました。
しばらくして
一人の僧がいいました
「修行中の身で女性を抱くなんて
お前は禅の修行をなんだと思っているんだ!」
それを聞いて、
もう一人の僧は言いました
「なんだ、君はまだあの女性を抱いていたのか
僕はとっくに離したよ」
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