昨日近所のカフェでケーキを食べました。
ANNA BLUMEというとても感じのいいお店でオシャレなカウンターには美味しそうなケーキが並んでいます。
ベルリンは大きなケーキが安くて美味しい。去年の今頃景気づけに訪れて以来の贅沢ケーキに胸躍っていたのですが、いざ満腹になると、後味が思った程でない。何かが違うのです。
ちょっと前までムショウに欲しかったケーキが砂糖の山に見えてきて
「欲しい、足りない、くらいがちょうどよかったかな」
とちょっぴり罪悪感さえ感じるほど。
僕は甘いものが大好きです。
でもなぜか、永平寺の台所では基本的に砂糖を使いません。
「砂糖は毒だ」
修行中、典座老師がしょっちゅう呟いていました。
山奥の道場にいると大丈夫なのですが、娑婆におりると甘いものが食べたくてしょうがなくなります。こっそり食べたローソンのダブルクリームシュークリームがとびきり美味だったことを今でも覚えています。
なんだか砂糖のことが気になって、インターネットで調べてみました。
すると砂糖の構成原子は「炭素」「水素」「酸素」だということがわかりました。
「炭素」「水素」「酸素」どこかで聞いたことあるな・・・「三分間でもいいから、うぉう、うぉう、いぇーえー」
いや、元素紀行じゃなくてまっさきに思い出したのはミヒャエルです。
ベルリンに住むミヒャエルは背が高く、いつも真っ黒な服装をしていて
炭素、砂糖、とSNSについて非常に興味深い調査をしています。
(opensource.ccというリンクからwhat?をクリックすると簡単な解説が見れます)
彼が面白いのは炭素の燃焼を単なる化学変化ではなく「文化的な記憶」の循環としてとらえていることです。
「石炭の燃焼はとてもわかりやすい炭素の変化だ。けれど発電すること、電気を使うことは勿論、歩くこと、座ること、食事することも、思考することでさえ、炭素の変化なんだよ」
「そこには地球の歴史がある。その記憶を君が今、この瞬間にも書き換えている」
いつになく真剣なミヒャエルの眼差しが浮かんできました。
一挙手一投足がそうだとすると、それこそ頭燃を払うように全ての瞬間が大切に思えてきます。
「炭素、水素、酸素。文明を否定するのではなく、記憶の循環にどうに関わるか」
ミヒャエルはインターネットやSNSとの接し方に悩んでいた僕に、とても大きな気づきをもたらしてくれました。ちなみに砂糖の山はドイツ語でザッカーバーグ(Zucker Berg)といいます。甘いものとFacebook。娑婆世界と相対性理論。原子の視点で眺めていると何かが見えてきそうです。
(つづく)
Photo by Neo

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