雲水喫茶の日替りマスター!!

ナムータイム

零度の空気が落ち葉を白く包む朝。ベルリンではサマータイムが終わり、深夜三時に時計が一時間戻りました。

個性が強いベルリナーといえどもサマータイムに従わない人はいません。誰もがやっている約束事には賛否を越えてとりあえず従う人間の本能。これをうまくすればここが平和な星になるのも夢物語ではないじゃない?

そこで、今日はナムータイム(南無時間)の導入を提案することにします。

ナムータイムの5つの約束事
1、日が昇る前に起きる
2、食事を感謝してわけあって頂く
3、丁寧に、排泄、洗身、掃除をする
4、ただ、何もしない時間をとる
5、日が沈んだら寝る

皆さんは日本にナムータイムが導入されるとしたらどう思いますか?

それは困る、そんな約束事は守れないから反対だ、という人も勿論いるでしょう。しかしここはひとつお願いします。好き嫌いはどっちでもいいのです。1年間、いや1ヶ月、いや、1週間でもいいので日本にナムータイムを導入してみましょう。ナムータイムは賛成か反対かというよりも共通のルールとして認識できるかがポイントなのです。

僕は欧州の人達は皆、自分たちで決めたサマータイムの仕組みが大好きなのだと勝手に思っていました。しかし意外にも多くの人から反対意見を耳にして驚きました。手間がかかる、時計にお金がかかる、混乱する、面倒だ、などなどポジティブな側面を認めながらも現地で聞いた限りでは賛成の人はいませんでした。

しかしここで大変興味深いのは、欧州では多くの人が反対の意見を持っているにも関わらず「ほぼ例外無く全ての人がサマータイムのルールを認識し、従っている」事実です。

なぜ反対意見を持ちながらあるルールに従うのでしょう?

それは皆がやっているから、これにつきると思います。多少意見の違いがあっても皆がやることには従う。サマータイムの例はこんな人間の性質を証明しています。

考えてみれば世界中ほとんどの国々が、一年を365の日と、12の月、24の時間にわけて暮らすというルールに従っています。モノやサービスとお金が交換できるという複雑で不思議なルールもあります。そんな芸当ができるのならナムータイムの単純な5つのルールを一週間守ることくらい簡単でしょう。

誰もまだ本気でやったことがないだけで、実践者が一定数を越えたらきっと一気に変わるはすです。共通のルールとしてみんなが認識するだけで、その効果は計り知れません。

「夜更かししちゃいけないのか!」「そんなヒマがあるか!」

という意見もあるかもしれません。でも大丈夫、安心して下さい。陽が沈んだら寝る、というルールがあるからこそ、夜がたまらなく妖艶な時間になる。ただ、何もしない時間があるからこそ情熱的に働く時間が生まれるのです。それに

「日が昇る前に起きて、食事を感謝してわけあって頂き、丁寧に排泄し、洗身、掃除をして、ただ何もしない時間をとり、陽が沈んだら寝る」

そんな暮らしを送る人類が、それでも尚かつ、原発を作り、貧富の差に苦しみ、戦争をする姿を想像できますか?



・・・そんなことを考えながら「あと一時間眠れる!」と喜びのあまり身体を伸び縮みさせて布団にコモコモした10月最後の日曜日。

いや、なかなか難しいもので
かくいう拙僧も独りではできませんが、やってみると最高です。

まずは今日から、みんなで始めてみませんか?



今週も好い日々になりますように・・・




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(日本海の夜明け:写真提供 樋口直樹)

2012/10/28  by

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