昨日初めて欧州でレンタカーを運転しました。
ベルリンからおよそ500キロほど東にあるLODZというポーランドの街を訪れるためです。
車で数時間の距離は、ユーラシア大陸の広さを考えれば隣村に行くように気軽なものなのかもしれません。
それでも慣れないマニュアル車、右側通行、さらには通った事のない道に極度の緊張を覚えました。
途中燃料を補給するため日本でいうサービスエリアのような場所に停まりました。
6つある給油台はどれも長蛇の列。
様々な国の車から出てくる人々は当然のようにガソリンを入れていきます。
(EUの車はナンバープレートで国籍がわかる)
説明書きは皆無で油種も給油方法も、支払い方法もわかりません。
なんとか給油を終わらせて、側にあった公園で夕陽をみながらほっと一息。
どこまでも続く広い広い空、四方には際限なく大地が続いています。
小さな人間。大きな太陽。
飛行機のなかった時代の人達はどのような気持ちだったのでしょうか。
少し想像してみました。
ヒトタビ戦争が起これば、大切な家も、財も、家族も、土地も、全てを失ってしまいます。
どこから敵が攻めてくるかわからない。
怖かったです。
「隣人を愛しなさい?」
そんなカンタンにできるものではありません。
実際ポーランドは隣国から幾度となく悲惨な侵略にあってきた国です。
その国歌の歌いだしはこのように始まります。
「ポーランドはまだ滅びていない、私達が生きている限り」
" Jeszcze Polska nie zginęła, kiedy my żyjemy "
この歌詞が生まれた背景を考えると、甘っちょろいことは言ってられないなとも感じます。
それでも、50年前なら無理だったかもしれないけど、今ならきっとできる。
鳥取県民が「東京都民が武器を持って襲ってくる心配」をしないように
ナニカを共有していれば「隣のダレカが攻めて来る」という恐怖にとらわれずに向き合える時代です、今。
そうそう、給油の話。
どうしようもなくなり、後ろのいかついニイチャンに身振り手振りと拙いポーランド語で聞いてみました。
「ロズミエシュ ポ アンゲルスク?」
「ワカラナイヨ!でもたぶんこうするんじゃないかな・・・英語しか話せなくて、僕も不安だったんだ」
「なんだ、君もかい」
不安を抱えたまま二人とも無事支払いをすませ、それぞれ満タンの車に乗りこみました。
驚く程カンタン(たぶん)!
何が正しいのか結局わからなかったけど、これだけのことでなんだかとっても嬉しい気持ちになりました。
今年も残り少なくなってきましたね。
みなさま、どうぞ好い年の瀬を御過ごし下さい!
星覚九拝
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