雲水喫茶の日替りマスター!!

やってきた坊さん

先週の月曜日、在ドイツ日本国大使館で開催された坐禅会に行ってきました。
会場は大使館の建物内にある立派なホール。
ベルリン在住の書道家、赤川薫さんの「かな」を使ったアートが心地よい空間に響いていました。

坐禅指導をしてくれたのは京都にある臨済宗大本山建仁寺塔頭、両足院から来てくれた伊藤東凌師。
1980年生まれの若いお坊さんですが、堂々とした威儀です。
初めに「よろしくお願い致します」と挨拶をし、翻訳の難しいその意味、参加者をも巻き込む言葉であることを伝え、坐禅のやり方では自ら見本を示しながら英語で丁寧に説明していたのが印象的でした。

曹洞宗の大本山、永平寺を開いた道元禅師は中国に渡る前に建仁寺で修行をしていました。栄西禅師を大変尊敬していたようで、正法眼蔵随聞記でも栄西禅師に関する記述が登場します。この二人は会った事があるともないとも言われています。なんだか浪漫のある話だと思いませんか。


満員の会場には多種多様な老若男女(う〜ん、なんと表現すればいいか、装い、雰囲気、肌の色、熱帯雨林のようなです)。マイ坐蒲を持参している人や、作務衣で現れた人、日本の若いカップルの姿もあります。

この人達それぞれに、おじいちゃん、おばあちゃんがいて、
そのそれぞれに、ひいひいひいおじいちゃんや、ひいひいひいおばあちゃんもいる・・・
家族、親戚や親友だったり、先生と生徒だったり、航海先の港ですれ違ったり、中には喧嘩したり殺し合ったことがあるご先祖様もいたかもしれません。


それでも数百年の時、数千キロの空間を越えて、集った人々が一緒に坐る。
人種、民族、言語や思想ーーー違いもひとっとびです。

こうしたお坊さんが和をこの星に広げていくのだな。
そう思うとなんだかとっても心強く、バスに揺られる帰り道ではなんとも幸せな気持ちになりました。

両足院では写経や坐禅、精進料理も体験できるようです。
京都を訪れた際は、是非訪ねてみて下さい。

今週も和な日々となりますように・・・



星覚九拝




赤川薫さんのウェブサイト

両足院ウェブサイト

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2014/02/02  by

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