雲水喫茶の日替りマスター!!

同安居会

先週水曜日、同安居(同じ年に上山し、修行生活を共にした仲間)達が永平寺に集う機会がありました。平成16年に本山の山門をくぐった海衆の四分の一ほどでしたが、それでも日本全国から30名以上。

その中でなんともいえぬ感動を覚えた瞬間がありました。

道元禅師が祀られている承陽殿に焼香に向かう際のことです。直前まで騒がしくてんでバラバラに行動していた「若僧」達が、誰も何もいわないのに自然に整然と整列して殿内に入ると、横ずれしてちょうど全員が納まるように三列に横並び、そこから三つある香炉に自然に別れて焼香、それぞれのスペースを見つけて、三回のお拝、また三列に並び、自然に整然と整列して出ていくのです。何事もなかったように。

言葉で表現しにくいのですが、その「自然に整然と」感に驚愕です。ほぼ10年ぶりに集った30名以上の大人が何の準備も打ち合わせもない初めての場でここまでなめらかな動きができる(これと同じ形式での焼香は修行中には経験しません)。それもサラリと。もちろん自分もその中に参加しているわけで、なんだかなんといっていいのかわからないのだけれど、これだ!と心を打たれました。

世界には仏教に限らずこのような儀式が行われる場がたくさんあると思いますが、同じような条件でここまで自然に整然と動けるのは珍しいのではないかと思います。普段全く別の生活をしている大人数の人間が、まるでひとつの生き物のよう。この地にある特筆すべき美しさ。海外に存在するたくさんのそれはそれは素敵なZENの道場でも、こんなことはまず起こり得ないと思います。今はまだ。

人間は一人じゃない。みんなで、みんなを生きている。

あらためて仏道を歩む全ての仲間達に深い感謝の念を抱いた今年最後の北陸でした。明日ベルリンに戻ります。「自然に整然と」こなすはずだった荷造りはますます絶望的な状況に追い込まれてきました。こればっかりは同安居にお願いするわけにもいきません。無事帰れるのでしょうか。今週も好い日々となりますように・・・

祈諸縁吉祥福壽無量
星覚九拝

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2014/11/29  by

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