禅×コーチングのコラボワークショップ「09DESIGN」

09/05/24 第3回09DESIGN〜歩きの作法〜

空は雨模様ながら、池に落ちる雨音が何ともメロディアスで
とても心地よい空間でした。

第3回のプログラムは下記3本立てで行いました。

zen part vol.1:坐禅       by 星覚
zen part vol.2:歩きの作法    by 星覚
coaching part:ケイゾクのヒケツ by こうすけ

歩く坐禅

今回のハイライトは、なんと言っても歩きの作法。
人体模型スケルトン・アレックスと、超合金ロボット・ジョンソンにもご協力頂き、
人間のカラダの構造から、理想的な歩き方についてレクチャー。

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※写真はアレックスの弟分、チャーリー。

あまりに熱がこもってしまい、後半はちょっと駆け足になってしまいました・・。

ほんとは伝えたいことがたっくさんあるんだけど、歩き方を言葉で説明するのは、
チョコレートの甘さを言葉だけで説明するようなもので・・・。
ぜひ参加してみてくださいと言いたくなるのが本音です。

ですので、今回は歩きの作法「歩く坐禅」について書いた星覚のコラムを引用したいと思います。

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実は永平寺では「じっとすわる坐禅」は修行のほんの一部にすぎません。「行住坐臥」という言葉がある通り生活の全てが修行、生活の中の一つ一つの動作が全て坐禅である、とされているのです。寝る、食べる、トイレやお風呂に入ることにまでも厳格な作法が定められています。その中でも人間の最も基本的な所作である「歩く」ことについては数ヶ月に渡って特別な訓練をするのです。「殿行歩き」とよばれるその特別な訓練は着物で最も無駄のない動作ができるように代々口伝されています。

雲水の健康の秘訣

坊主の世界は50代が若手といわれます。世間では下り坂といわれる年齢でも無駄な力がぬけてきてますます元気に満ちあふれてくるのです。肌がつやつやして元気いっぱいの70代80代の和尚さんを見たことがあるかと思います。和尚が「生涯現役」でいられるのは「行住坐臥」の正しい作法を知っているからなのです。ちなみに拙僧もここ五年間、病院にいったことは勿論薬も一錠も飲んでいませんが健康そのものです。

思い立ってジムに通うと決意しても、ジムにいる時間は一週間のうちどれくらいでしょうか?
毎日必ず行う「歩く」という動作を少しずつ意識的に正せば09年がおわった頃には相当の積み重ねになります。生活の最も基本的な所作をこの機会に一緒に見直しましょう。「歩く」「坐る」ということから09をデザインしてみましょう。

おまけ

坐禅と同様、「歩く」こと自体に目的があってはいけないと拙僧は考えます。何かを達成する為の「ウォーキング」ではありません。朝の散歩が愉しいように、セントラルパークを老若男女が闊歩する様に、歩くこと自体が喜びとなってもらいたいのです。

それが「ホンネ」ではありますが、何かを始めるとき「タテマエ」はことのほか重要であります。「歩く坐禅」の効用をいくつか挙げてみます。

・浴衣が似合う様になる。
永平寺の作法は日本人の身体が前提です。和服を着てもどこかしっくりこない、という声をよく聞きますが普段欧米式の生活をしていて日本の身体にあった着物を着ても違和感があるのは当然です。「歩く」「坐る」という基本動作を身につければ夏祭りの浴衣も着崩れする事なく楽しめます。また欧米式の歩き方では歩きづらい雪駄や草履も自然に履ける様になります。

・脚が細く、長く、疲れにくくなる。
雲水の歩き方は静かに水が流れる様に無駄な力を極力いれません。逆立ちをして歩いてみるとよくわかりますが、「歩く」という動作は実はかなり高度な身体全体の総合作業なのです。生活習慣から偏った歩き方をしている場合、積み重なって肉体に大きな負荷を与えます。若いうちは筋繊維を太くしてそれをカバーすることもできますが、年齢が重なるにつれ身体の不調の原因になります。無駄な力の入らないカモシカのような歩きが理想です。

・ウェストがしまる
歩く事が身体全体の総合作業だということは前項で挙げましたが、歩き方が変わると体幹の使い方も変わってきます。具体的には永平寺の伝統的な歩き方は太ももやふくらはぎの筋肉よりは臍よりも上の方につながっている「腸腰筋」という筋肉をより多く動かします。お腹まわりの代謝が活発になり、太ももやふくらはぎの緊張はほぐれ、「メタボ」と指摘される部分はしまってきます。
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ね?参加してみたくなったでしょ?(笑)

当日は4列に並んで、畳の目に合わせてゆっくりゆっくり、永平寺式歩き方の練習をしました。
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ポイントは床を蹴ったり、筋肉を動かしたりするのではなく、重心を傾けて自然と足が前に出るように進むこと。少し腰を落として、足の裏がいつも見えないように歩く。

都市生活を28年送っている自分にとっては、ちょっときつい歩き方でしたが、永平寺で見た、音を立てず、流れるように歩く僧たちの美しさを描きながら、一歩でも近づきたいと思いました。

いい歩き方ができるようになって、いいカラダにもなりたいな☆

2009/05/24

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