雲水喫茶の日替りマスター!!

地震の後、諸々2

IMG_2346.JPG前に記事をアップしたのが月曜日。
あっという間に週末になりました。

前回僕は

「原子力を使って発電し、その電気で生活することに反対である」

と書きました。さて、そんなこといったって原子力無しで生活するなんて可能なのでしょうか?

実はその後すぐに、自給自足を営んでいる兵庫県の安泰寺というお寺に参禅に行ってきたのです。安泰寺は檀家を一切もたない修行寺で、農業をやりながら本格的な自給自足(調味料等お寺で作れないわずかなものしか購入していない。電気や水道は使える)生活を営んでいます。

何度も迷いながら山深い参道に辿り着きました。
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堂長のネルケ無方さんはなんとドイツ出身。
雑誌「考える人」の最新刊の表紙も飾っています。
出版社である新潮社の金さんにお会いした時に無方さんの著書「迷える者の禅修行」をご紹介頂き、これはもう会いにいくしかないと参禅を申し込んだのです。(ちなみに「考える人」最新刊には、アイドルグループ"perfume"公認のイケ僧である友人の弓月も寄稿しています。大好きな季刊誌なので是非見てみて下さい。)

安泰寺での出来事は改めて書きたいと思いますが、とにかく楽しく心地いい!
まだ雪が残っていてそれは寒いし朝は早いし娯楽は皆無であります。
でも都市生活で眠っていた野生の生きる力がムクムクと沸き出してくるのを感じます。
決して贅沢ではないけれども生きることそのものが楽しくてしょうがないこの感覚。

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その日は放参日だったので夜8時過ぎにはもう寝るだけです。
音楽も漫画も雑誌もない。きらびやかな装飾品もなければ派手なエンターテイメントもありません。朝は早起きして太陽を迎え、身体を動かして働き、陽が沈んだら闇に逆らわずに眠る。ご飯は隣の土からとれた薄味の野菜に黙って向きあう。無論ひとかけらも残さない。

そういう生活を続けると、どうなるのでしょう。

凍死や餓死する人がでてくるのでしょうか。
鬱や自殺をする人がでるのでしょうか。
おかしくなって凶悪な犯罪に走る人がでるのでしょうか。
学校にいきたくないといったり、麻薬や酒に溺れる人がでるのでしょうか。


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僕の感覚だとやっぱり
「原子力を使って発電しなくても、全然OK。原子力無しで生活することは余裕で可能」
なんです。

あくまで直感です。言葉にするのが怖いくらいなんの根拠もないです。
でも根拠のない直感でも言葉で表現してしまおうと思います。
それは、根拠がないと自覚しての発言に執着はないからです。
「そうだよな、やっぱり原子力を使わないと生きていくことはできないよな」と思わせてくれるような主張を聞いてみたいんです。
今までそんな主張を聞いたことがありませんが。

まったく、なんで原発はこんなにたくさんあるんでしょうか。

その鍵は「今まで坐禅が広まりきらなかったのと同じような理由」にあると見ています。
その理由とは

「理由がない」

ということです。
坐禅は無理して理由をつければ色々な効果があるのですが、結局のところ「なんにもなりません」。やる理由がない。

「無作(なにもしない)」には理由がないのです。

一方、原発を作る理由はいくらでもあります。

「理由がある」

ということです。

この二つの主張がぶつかって言い争いになった場合結果は明らかです。
「理由がない」が「理由がある」を言い負かしたり打ち勝ったりすることはまず、ありません。それは「そうする理由がない」からで「理由がない主張」で「理由がある主張」を押さえ込もうとするのは無理です。
説明するのは難しいけれどもエネルギーが流れる方向が全然違う。

でも考えてみて下さい。

なんかこの世の苦しみや悲しみは「理由がある」ことが原因のような気がしませんか?
優しく、あたたかく、美しい感動することには「理由がない」気がしませんか?

そんなこといってもじゃあどうすればいいの?

それがわからないからアーティストや禅僧や、みんなずっと苦労してきた。
地球からずっと戦争がなくならなかった。

でもなんだかここへきて、西暦も2000年を越えて、どうすればいいのかみんながなんとなぁくわかってきている。これはもう最近確信です・・・

長くなってしまいました。
そうそう、今週は東京から裕人と弓月が遊びに来て妻と一緒にみんなで山陰地方を旅しました。日本の美しい景色をみて、ますますこの国をよい場にしていきたいなと思いました。
そんなワクワクな気持ちと、「やっぱりだめだ・・・言葉にできんし今日も時間がかかりすぎた・・・」とシュンとした気持ちを残しつつ、次回に続きます。

どうぞよろしゅう

星覚九拝

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2011/04/15  by

コメント(2)

「理由」なんて、一瞬で崩れてしまう。そんなものを軸に生きていたら、誰でもおかしくなりますよね。
「終戦の日のように、常識は一夜にしてひっくり返ることがあるが、真理は決して変わらない」多分10年以上前に、美輪明宏さんがテレビで言っていた言葉が、その時からずーっと心に残っています。

確かに、そろそろわたしたちも準備が出来て来た気がします・・・

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