ちょっと粋な禅の旅「オフの細道」

報告! 第15回禅の旅

さてさて8月11日12日に開催された禅の旅、今回は実に半分以上の5名がニューヨークから参加。そして今までの禅の旅最年少、幼稚園児の参加者も迎えて禅ワゴンの中は、お盆の渋滞もモノともせずにいつもの5倍ましの楽しさです。

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禅の旅恒例の楽器も、今回はピアノが史上初めて登場。サマーキャンプミステリオのメンバーがほとんどだったのでチームワークも抜群のエキサイティングな旅になりました。

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最年少のヨシトのお母さん、ナースでありチェロ奏者であり作曲家でもあるシラベーがレポートを書いてくれたので紹介したいと思います。NYのリオとサイモンも現在所感を書いてくれていて校正中なので来月にはお披露目したいと思います、お楽しみに!!!

こちらは第15回の写真

以下、シラベーのレポート、ご覧下さい!




禅の旅レポート

~家庭での毎日の生活に禅の教えを取り入れよう~

しらべい


  • はじめに

禅の旅に参加して、永平寺では、なんとシンプルでエコな生活をしているんだろうと思いました。永平寺でやっていることは、人間が、誰にも迷惑をかけない生活だと思いました。

人間が生活することで、水や空気を汚し、森林を破壊して、資源を浪費し、化学物質を作り出しては廃棄し、肉や魚や鶏を殺して食べ、虫や微生物たちを殺します。離婚が増え、子供の虐待も、自殺も増えています。

日常生活に、禅の教えを取り入れれば、世の中が変わってくるのではと思い、まとめてみました。


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  • 洗剤を使わない生活

永平寺では、洗剤を使わないで、掃除や、食器洗いをしていました。(洗濯だけは洗剤を使います)

なぜかというと、毎日繰り返す生活が、洗剤を必要としないようにできているのです。

掃除は、雑巾で拭き、掃除機や洗剤を使いません。毎日、汚れていなくても、隅から隅まで掃除するので、カビやこびりつきなどないので、洗剤を使わなくて大丈夫なのです。「汚れているから掃除する」のではなく、「(家に対する)感謝の気持ち」で掃除するということに、目から鱗でした。


食器は、食事後、お茶と沢庵で洗って飲むので、後は水洗いだけで大丈夫なのです。当然、各食器に残った汁の味が混ざるので、和食でないと無理です。日本の調味料は、だしの味が基本で、さ(砂糖)し(塩)す(酢)せ(醤油)そ(酒)ですが、それなら合わさってもおいしいです。マヨネーズやドレッシングが入ると気持ちが悪いです。

食器は、人間の腸に置き換えられます。食器をお茶で洗えるということは、腸もきれいで、消化吸収の負担が少ない。肉や油が多いと、特に日本人の長い腸では、食べ物が停滞して、消化吸収の負担が大きくて、うんちも臭い(大腸がんのリスク↑)。消化吸収に時間がかかるということは、いつまでも副交感神経が優位だから、体が活動的になれない。逆に強引に活動すると、消化吸収できないから、下痢をする。

だから、せめて朝食だけは、和食(ご飯、味噌汁、漬物)にして、食器を拭ったお茶がおいしく飲めるようにしたいと思いました。

ちなみに、精進料理のレシピは、ネット上でも学べます。

禅僧の台所 http://www.higan.net/blog/shojin/

典座ネットhttp://www.tenzo.net/


  • 極力電気を使わない生活リズム

上記の洗剤を使わない生活をするためには、掃除と、食事を作る時間を確保しないといけないです。

永平寺では、夏は3時代に起床洗面で、座禅、食事作り、朝食、掃除...という流れです。夕食は17時なので、16時には食事の準備です。19時から座禅で21時就寝です。

家庭では、私は4時に起きて、座禅、食事作り、朝食、掃除をしようと思いました。夕食は、幼稚園の都合もあり、18時にして、20時就寝にしようと思いました。とにかく、朝早起きをすることが、一日を有意義に過ごし、夜間良眠を得られるポイントだと思いました。また、一日の予定が決められていると、体が動きやすく、効率が良いことに気付きました。

朝食を、家族全員揃って一緒に食べ、家族を送り出すこと、子供の生活リズムをきちんと作ってあげることは、自律神経失調症を防ぎ、うつ病など精神的疾患から起こる自殺や、虐待を防ぐことになるのではと思います。

掃除の時間や食事を作る時間がきちんと確保されていれば、その時間が家庭での修行の時間であり、家や食べ物に感謝しながら、自分と向き合うことができる時間となります。


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  • 受け入れる・求めない・感謝の心、仲間

上記を実践するにあたり、頭では分かっていても、やっぱりできなくて挫折すると思いますが、どうすればできるのでしょうか。

永平寺では、沢山のお坊さんが、伝統の方法で、一緒に行動しています。なぜそういう方法でやるのか理解できなくても、教わった方法で、毎日繰り返して覚えていきます。身についてから、なぜそうするのか理由が分かったりします。理解できないからやらないのではなく、伝統の方法を信頼して受け入れ、毎日繰り返し実行するのです。

感謝の心は、毎日お経として口で言ったり、作法として行動することで、育っていくことも分かりました。

子供の生活習慣を身につけようとする時、子供は親の真似をするので、家族全員が同じように、規則正しい生活をすることが大事だと思います。「○○しなさい」と毎日口で注意するのではなく、規則正しい生活が当たり前だという家庭環境を作り、何も考えずに、自然と身につけることができるようにしてあげるのがいいと思いました。家族全員が、一緒に、楽しく、がんばることがポイントだと思います。

永平寺ではさらに、求めない心が大事と学びました。個人の欲求・要求と、規則正しい生活との葛藤があります。他人を変えようと求める心を改め、自分を変える努力をしようと思いました。求めない心と感謝の心があれば、離婚も虐待も減ると思います。

毎日坐禅を組むことで、沸き起こる感情を、自分なりに静めることができるようになると思いました(それを求めて坐禅を組むのはだめですが。)。毎日坐禅でいい姿勢を保つことで、インナーマッスルを鍛え、普段からいい姿勢を保てるようになると思いました。もし、求める心が沸き起こってきても、その感情に気づいて静め、常にぶれずに回る駒のようになりたいと思いました。


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  • 平和の心

坐禅を組むことは、平和そのものだそうです。平和な世界が何よりも優先すると思いました。戦争が起これば、地球が破滅します。平和=愛だと思います。平和な世界は、家庭からだと思います。家庭でどれだけ家族に愛を与えられるか。料理であったり、きれいな家であったり。毎日の家事という修行そのものが、家族への愛につながるのだと思います。


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  • おわりに

環境破壊を最小限にし、家族の健康を守り、離婚・虐待・自殺を減らすためにも、生活リズムを整え、毎日の家事(修行)をがんばろうと思いました。

 禅の旅に参加することができて、本当に良かったです。ありがとうございました。




(ナースとして、母として、地球に住む一人の人間としてとても貴重な声を聞かせてくれたシラベー、忙しい中本当にありがとう!/星)

2010/08/24

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