社交ダンスインストラクター井上淳生の「A little star in our body」

#3 伸びるところと縮むところ

 

CIMG2406.JPG ≪あじさいで彩られた絵葉書です。押し花が趣味の生徒さんに見せてもらいました。≫

 

みなさん、こんにちは。


僕は今、札幌に住んでいます。


昨日の札幌の夜空は、雲のない穏やかな空でした。

これから来るであろう、寒風の季節を予感させるような、空気の澄んだ空でした。

澄んだ空気を通して、星々がぱちぱちとウインクしていました。

 

これまで数え切れないぐらい見上げた夜空。

いろんな場所から、いろんな時間に、いろんな人と見上げた夜空。

その星11つに大きさがあり、温度があり、人間が付けた名前があります。

どれがどれかは区別できませんが。


ただ、今、ここから、ものすごーく遠い場所にある星々に何ごとかを託して、

何かあった時、何もない時に、ふと見上げるような関係でいたいと思っています。


さて。


人間の筋肉の動き方には、2通りのパターンがあるようです。

 

"伸びる"か、"縮む"。


社交ダンスでは、特に前者が重要視されています。


筋肉を伸ばして使う。


そんな使い方が、社交ダンスでは求められています。


少し難しい言葉で言うと、伸筋と屈筋のうち、伸筋の優位が社交ダンスには求められているようです。

 

息を吐きながら、ふぅ~っと伸ばしてあげる。

腕を通って、小指と薬指から背中につながる筋の伸張を感じながら、

相手を包み込むように、ふぅ~っと伸ばす。

相手との接点を通じて、身体の中心から伸ばした筋肉の動きを相手の身体に送り込み、

受け取り、また送り込む。


そして、アクセントとして、意図的に、きゅっ!、と収縮させる。

 

そしてまた、ふぅ~っと伸ばしてあげる。


筋肉に注目すると、社交ダンスとは、

「ふぅ~」時々「きゅっ!」の運動だと言えるのかもしれません。


僕の経験を言うと、社交ダンスを覚えたての頃は、

とにかく力が入ってしまっていた気がします(今もそうかもしれませんが・・・)。


先輩や先生から、

「リラックスしろ~。」「力抜け~。」と言われれば言われるほど、

「リラックスしなきゃ!」「力抜かなきゃ!」と、

なぜか、力む方向で応えようとしていた気がします。

 

筋肉をこわばらせ、引きつった表情で「リラックスしてますよ~」とアピールする。

 

何とも異様な(?)光景だったに違いありません。


"伸びるところ"と"縮むところ"。


これは、意識の使い方にも似ていると思います。


みなさんは、何か1つのことを考え続けて、

脳みそが"きゅぅ~っ"と縮んでいくような感覚を経験したことはありませんか?

 

そんな時、みなさんはどうしましたか?


きっと、遠くの景色を見たり、考えるのを中断して違う所に出かけたりして、

環境を変えたんじゃないでしょうか。

 

そして、"ふぅ~っ"と、ひと息もふた息もついたんじゃないでしょうか。


僕はそうしてきましたし、これからもそうすると思います。


今の時代は、理詰めで考えなければならないことがたくさんあって、

意識が縮んでいく機会が多い時代だと思います。


そんな時こそ、意識の活動範囲を、"ふぅ~っ"と、遠くまで伸ばしてあげる。 

視点を遠くに飛ばしてあげる。 


そうやって、縮むのとは違う活動を、意識に経験させてあげる。

縮むこともあっても良いけど、伸ばすことはもっとあっても良いんじゃないかな~。


伸びるところと縮むところ。


筋肉に限らず、ものの考え方にもその2つがあっても良い気がします。


2つがバランス良く各々の中に共存できれば、

きっと人生はもっと彩りに満ちていくんじゃないでしょうか。

 

そんなことを夢見ています。


今回はこの辺でzzz


2009/09/18

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