写真家 野崎悠の「悠悠自適」

その一瞬は一つだけ。



先日パソコンの中にある写真データを整理していました。
昔に撮ったものなどでいらない写真があれば消したりしようと思いました。

しかし消せない。
ブレていたりピントが合っていなかったりするけれど
残しておきたい。

家族写真や愛犬の写真はなおさら。

なおさらも何も他の写真も消せない。


なんで消せないか考えてみました。
答えは単純明快。全部大事な宝物だから。

なんで宝物と感じるか。
もうその写真を誰も撮ることが出来ません。
僕もその瞬間に戻れない。

その写真すべてが、世界に一枚しか存在しない一瞬の一点もの。
だから消せない。

この瞬間を、この写真をまた撮りたくても誰も撮れない。
haruka001.jpg

同じ場所にいた人でも僕と同じ瞬間、似た角度から撮ったとしても
それは別の写真"別の時"を写したもの。

「先日旅行に行ったときに撮った写真です」なんて
写真を見せてもらうととってもうれしい。
その場に僕はいなかったのに他の場所の景色、時を見ることが出来て
それも世界で一つしかない瞬間。

同じ場所に立ち、昨日と同じ時間に撮影したとしても
時は流れているから同じに見えても時は違う別々のもの。

そんなふうに写真を見ていると消せなくなります・・・

ポケットを叩くとビスケットが二枚にじゃないですが、
シャッターを切るたびに宝物が増えていきます。

写真っておもしろい♪

haruka002.jpg




2010/02/10

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