社交ダンスインストラクター井上淳生の「A little star in our body」

#5 分析的に見ることと全体的に見ること

 

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≪信号待ち。ふと見上げてみた風景です。標識がいらないかな...≫

 

仕事柄、人が踊る姿を良く見ます。


日常のレッスン。

パーティーでのダンスタイムやデモンストレーション。

競技会での他の選手の踊り。

外国のトッププロの踊りが収められたDVD


仕事を続ける中で気付いたことがあります。 

それは、人の踊りを見る時には、大きく2つのパターンがあるということです。 

 

分析的に見る。

全体的に見る。


この2通り。


1つ目は、

 

「この動きって、どうやってやるんだろう?」

「どのタイミングで動き始めているんだろう?」

「どういう構成のルーティン(ステップの連なり)になっているんだろう?」


という、分析的な目で見る見方です。

自分が再現するために、要素に分解して、細切れにして。

テクニックやアイデアを、まさに"盗む"ために見る見方です。


2つ目は、


なんとな~く見る。

ぼんやりと見る。

流して見る。


という、どこか遠い所から見るような見方です。

特に目的も持たず、大づかみに見る。

お客さんとして、"鑑賞する"ような見方です。

 

僕は、どちらかというと、1つ目の「分析的に見る」という場合が多いような気がします。

社交ダンスの先生、特に競技会に出ている選手の先生は、

だいたいそういう見方をしている人が多いと思います。


ところで。


僕は、社交ダンスの世界で気付いたことを、

他の世界にも役立てたいと思っています。

 

また、逆に、他の世界で得た知恵を、

社交ダンスの世界に役立てたいと思っています。


なので。


今回、社交ダンスを見る上での、この2つの見方を、

日常の生活にも拡大して考えてみたいと思います。


それは。


人に接する時に、2つの視点で相手を見るとどうなるか、

ということです。


相手を分析的に見る。

相手を全体的に見る。


こんな2つの見方を、相手に対して持つとどうなるか。


ひとまず、直感的に浮かんでくるのが、


         分析的な見方は、人を"機能"で見やすくなる。

 

ということだと思います。


「人を"機能"で見る」とは、どういうことかと言うと。


「この人は、自分にとって〇〇の面で役に立つ人だ。」

「□□の面では、役に立たない人だ。」


こんな見方をするということです。

 

人を分析的に見ると、こういう見方になりやすいということだと思います。


みなさん、いかがでしょうか?

どうお思いでしょうか?


なんか嫌じゃないですか?


ビジネスの現場では、こういった見方が「善なる価値観」として通用しています。

そこから、「こいつ使えねー。」とか、「お前、使えるやつだなー。」とかいった、

恐ろしい表現が生まれてくるんだと思います。


ビジネスだから、仕方がない部分もあるんですが、

それを日常に持ち込んでくる風潮というか、

持ち込んでも違和感を感じなくなった風潮が、嫌なんです。僕は。


みなさんは、人に対して「使えるOr使えない」という言葉を使うのって、

なんか変だと思いませんか?


僕は変だと思います。

気持ち悪いと思います。

言われたら、嫌な気がします。

ものすごく。

聞きたくもないし、もちろん誰かに言いたくもありません。

 

仮に思ったとしても、絶対に表には出さないようにしたいと思います。

大っぴらに口外したくないと思います。


僕は、人を"機能"で見たくないと思っています。


人を"機能"という要素に分解しないで、

全体として、総合的にその人を見たいと思っています。

 

その人を見る時に、あえて輪郭をぼやけさせて、ぼーっと見る。


「この人はこういう人だ!」とずばずばと断定するような、

彫刻刀で無駄な部分を削ぎ落とすような、

そんな見方をしないで、ぼやーっと、感覚的に直感的に見たいと思います。


人とは、そんな付き合い方をしたいと思っています。

 


なんだか、今回は、ちょっとディープなお話でした。


その人の中にある星は、いろんな輝き方をします。

 

その人の輝き方のうち、自分の好きなパターンだけを愛でるというよりも、

これまで出会ったすべての輝き方を総合して、ごちゃまぜにして、

1つの絵のようにとらえて見る。

 

そんなイメージです。

 

今回はこの辺でzzz

 

2009/09/26

コメント(2)

はじめまして。
私は物づくりが好きで、と言っても出来る範囲は限られますが、料理やアクセサリーなんかをお店で見るときにはやっぱり
分析的な見方をします。でも、その他は基本的にはいつもぼーーーっとして物事を見ている性質です。
私もやっぱり人に対して使える使えないって言葉は不適切と思います。勝ち組負け組みなんかの言葉も好きじゃないです。
人には得て不得手があります。それに育ってきた環境でその人の持ち味の活かし方を知らずに大きくなった人だっています。
人の一面しか見れない人はその人自身も一面しか見せれない人なんだと思います。だから見抜けない。なんて、私も満員電車なんかのマナー違反の人とか見るとつい悪い評価をしがちですけれど。気をつけます☆

コメントありがとうございます♪

人として付き合いたい時って、
相手をあんまり分析的に見たくない気がしますね。

こういう所もあるけど、こういう所もある。
そうやって、相手のことを見たいですね。

でも、基本的には、いつも周りの景色をぼーっと見ていたいですね(笑)。

そのほうが、人に優しくなれそうだし。

今後ともよろしくお願いします~

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