社交ダンスインストラクター井上淳生の「A little star in our body」

#16 未来と現在1-期待と不安の間

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≪1週間前の札幌です。

       これからやってくる雪の気配を漂わせつつ、静かにたたずむ午後10時です。≫

 

みなさん、こんにちは。


札幌では、雪が降りました。

 

気温が低かったせいか、

ぼたぼたではなく、きゅっと締まった雪粒でした。 

 

自転車をこいでいると、

あられのように、

ぱらぱらとダウンコートをはじいていきました。 


 

もう冬です。

 

 

夜、黒かった車道も、

月の光を、街灯の明かりを反射する、

白いじゅうたんに様変わり。



さて。


 

この時期、社交ダンスの先生は大忙しです。



なぜなら。 


 

パーティーシーズンだからです♪


主にクリスマスパーティーと銘打たれた、

周年パーティーが行われるのがこの時期なのです。


ぼくの所属する教室のパーティーも先日に。


それに伴って、

日常のレッスンも

生徒さんとのデモンストレーションの練習が主になってきます。


 

この仕事を始めて、

パーティーでの発表

(業界用語では、デモンストレーション、もしくはデモ、と呼ばれています。)

を通じて、気付いたことがあります。



それは。


 

         デモ本番に向けて練習する中での気持ちの揺れについて


 

とでも言うんでしょうか。



         「失敗せず、本番でうまく踊る」

 

という、あってほしい未来と、

 

         「成功せず、本番でうまく踊れない」

 

という、あってほしくない未来。


 

後者に至る可能性を小さなものにして、

前者への道を太いものにする。 


 

その道作りの過程で起こる

 

 

         「よし、これで大丈夫だ。」

 

という気持ちと、

 

         「ああ、きっと本番もだめだ・・・」

 

という気持ちの間の揺れについて。



今回からは、それをテーマに

書いていきたいと思います。

 

書こうと思ったら、

1回にはまとめきれそうになかったので、

勝手にシリーズにさせてもらいました。

3回シリーズです。



今回は導入です。


 

                     人前で何かをする


 

いくつになっても緊張するものです。

 

 

ましてや、制御の難しい"身体"を使って、

そして、それを自分とは別の人格を持ったパートナーと曲に合わせて、

自分の情感を表出させる営みです。


 

イレギュラーな出来事が起こる余地だらけですね。 


100人、200人の観客に囲まれて、

自分だけがフロアを独占して踊りを披露する。

好きな曲で、好きな振り付けで。


 

うまくいったらうれしい。

うまくいかなかったら残念。


                     期待と不安の間の揺れ動き。

 

ダンスを披露することに限らず、

様々な局面で、誰もが経験する心境ですよね。


 

だから。


 

目標に向かって努力する。

目標を立てて、今すべき行動を計画して実行していく。



そういう姿勢が礼賛されるんでしょう。



でも。



あまりにもあたり前すぎて、

気にも留めなくなっていますが、


ぼくは、それについてもう少し考えてみたいと思っています。



未来に「目標」という、

目指すべき地点を設定して、

それに向けて具体的な道筋を計画していく。

そして実行していく。


 

それ自体は、

何ごとにおいても必要なことだと思います。


 

ただ。



なぜ、不安になるんでしょうか。

 

なぜ、未来のことに対して、


ある時には、

うまくいくと確信したり、

 

またある時には、逆に、

ああだめだと落胆したりするんでしょうか。



なぜ、現時点で何も分からない未来に対して、


 

ある時には、

 

             「望んだ通りの未来が手に入れられそうだ」

 

と愉悦にふるえたり、

 

逆に、

 

             「このままだと期待に反した結果になりそうだ」

 

と絶望したりするんでしょうか。


 

未来は、その時にならなければ何も分からないはずです。

「事後的に知る」という形でしか分かれないと思います。



禅の言葉に

 

                前後裁断

 

 

という言葉があるようです。

 

 

マスターこうすけの言葉を借りれば、


 

前(未来)にも後ろ(過去)にも引っぱられることなく、

今この瞬間を生きるということ。


 

それにならうなら。



           目標を立ててそれに向かって、今、行動する。


           意識を向けるべきは、今、この瞬間。


 

それだけで済むはずなのに、

 

なぜ、その時々によって、

いろいろな態度が生まれるんでしょうか。



次回以降、このことについて、少し考えてみたいと思います。


 

今回はこの辺でzzz

 

2009/12/16

コメント(1)

なぜ今の一瞬に全てを注ぎ込むことが、
言葉で言うのは簡単なのに難しいのか。

この問いかけは、
雲水星覚が都市生活で常に直面している問題でもあり、
俳優としても雲水としても一生かかって取り組むに値する素晴らしい問いかけだと思います。

次回以降も愉しみにしてます!

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