「師寮寺補佐」の為他出する者が一斉に山からいなくなり始めている。
羽田で乗り換えだの新横浜でバスだのなつかしい。フレーズがなつかしい。
焼き肉を死ぬほどとかハーゲンダッツをあびる程とか、そんなみんなのフレーズを思い出してるとニヤニヤして、うすわらいながら、ほのかに茶色が見え始めた遠くの木を眺めてたら「星覚なにニヤニヤしてんだよー」といわれた。
うん、うまいもんくいたいな。
今日は何しろ直堂加番で一時起きだ。
普通の睡眠時間が四時間半のところを二時間半前起きって半分以上削られてるし。ムチャいうなって。でも朝は仕事が忙しいし必死だからわりあい元気。八時くらいからやばいよ。本衆寮でついに寝てしまった。
この本衆寮、基本的に雲水昼寝なしなんだけど、座って休むことも公には認められていない。
でも今日はもう見つかってもいいやと思って床に倒れ込んだ。まわりには作務衣の同安居がゴロゴロ。つかまる時はみんな一緒だ。どうにでもなれや。起きて合掌正座しなくて一安心。
あとがき
本衆寮では襦袢はもちろんのこと、着物を着流しでいることもよしとされていない。着替えるとき以外は常に直綴を着用して威儀正しくしていなくては行けないがそんなことをいっていられない程ヘトヘトの新米雲水達は常にリラックスした格好で隠れて寝るチャンスを探している。
みんなでGETを恐れながらも棚の中に入って寝たのも今考えるとかわいい。
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